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ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

2011年10月27日 23:15

ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>
(2011/10/14)
京極 夏彦

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待ちに待った京極夏彦『ルー=ガルー 忌避すべき狼』の続編。10/14に単行本、新書ノベルス版、分冊文庫版、電子書籍と、一気に四形態で出版された。単行本は重いしでかいし高いしで選択肢になかったのだが、新書サイズと文庫サイズで迷った挙句文庫版を購入。(各種リンクは記事下部に)

前作では仲間を助けるため法を破り暴れまわった少女たちだったが、忌まわしき事件そのものが当局により隠蔽されてしまったため彼女らは裁かれることなく日常へと戻って行った。しかし星の巡り合わせというべきか、あの事件の関係者たちは再び巨大な犯罪の闇に対峙することになる。


今作では、落ちこぼれ刑事からさらに落ちこぼれ無職となった橡兜次と、前回の拉致監禁被害者来生律子の視点を通して物語が進み、新たなる事件とその真相が明らかになっていく。

趣味のバイクいじり(ただしバイクは前世紀の遺物であり法律上走行禁止)を中断して空気を吸いに外にでた律子が家の前で鉢合わせたのは、全身黒い葬式衣装姿の佐倉雛子だった。雛子は彼女を連れ戻しに来た兄の目を盗み、液体が入った小壜を律子に託す。その無色透明な液体を雛子は「毒」だと言った。果たして壜の中身はなんなのか。そして雛子がそれを託した意味は……。

一方で、警察をやめた橡は三十年前に親友霧島タクヤが起こした一家惨殺事件について独自に調査を始める。神埜歩未が敵を屠るために使用したサバイバルナイフの出自。冷静さを保ったまま些細なことで他人を殺傷してしまう児童達。未登録住民の相次ぐ失踪。美緒の自宅への襲撃。一見無関係に見える個々の事柄は、どう絡まってどこに繋がっているのだろうか……。それぞれの過去と今が交差しあい、ひとつの恐るべき犯罪計画の輪郭を浮かび上がらせていく。

端末で個人の言動がモニターされる管理社会。ネットでのコミュニケーションが主体となり、物理的な人とのつながりが希薄になった近未来。灰色がかったリアリティあふれる世界観を背景に踊るのは鮮やかな非現実。捩じ曲がった大人の醜い欲望と、突き抜けるほどに純粋な少女たち。その均衡が危ういところで採れていて、軽すぎず重すぎず心地よい重量を持っていると思う。相変わらずストーリーの本筋と関係あるんだかないんだかの概念めいた話が、レトリックを駆使して延々展開されページをかさ増ししているが。だがそれがいい。読み応えは抜群だ。


バカだアホだと互いにののしりあう律子と美緒の新コンビはGood。以前は暴走する美緒に元気よく適切な突っ込みを入れられるキャラがいなかったからな。役立たずのレッテルを貼られかけた葉月も、今回は出番こそ少ないものの役には立ってる・・・たぶん。葬式娘こと雛子の、人形のように落ち着き払った仮面から覘く、少女らしい弱さにはギャップ萌えを感じずにはいられない。
そして相変わらず、孤高の狼・歩未が(中二病っぽくて)かっこいい。私のなかで一、二を争うボクっ娘に歩未は認定済みである。ちなみに歩未と頂点を争っているのは天上ウテナ。最近のボクっ娘といえば「IS」のシャルルとか「まよチキ!」のスバル様なんかがいるけど、あれは男装しているが故の一人称なので厳密にはボクっ娘じゃないと思うのだよね。某涼宮ハルヒのキャラは、叙述トリックのために無理やり僕って言わされている感がするし。って話がそれた。

つまりは、ルー=ガルー3は是非ボクっ娘歩未を全力でフィーチャーして欲しいってこと。

ルー=ガルーが刊行されたとき高校生だった私も今では(以下NGワード)。十年越しのシリーズ第二弾だが、期待は裏切られなかった。だから大丈夫、第三弾だって待ってやるさ。だってそういう方向性の続編をほのめかすエンディングでしょ?




『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』
単行本版
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔
(2011/10/14)
京極 夏彦

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新書ノベルス版
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>
(2011/10/14)
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分冊文庫版
分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)
(2011/10/14)
京極 夏彦

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分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)
(2011/10/14)
京極 夏彦

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ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔 1/2 (ReaderStore)
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔 2/2 (ReaderStore)
紀伊國屋書店BookWebBooksVでも電子版取り扱いあり。


『ルー=ガルー 忌避すべき狼』
ルー=ガルー 忌避すべき狼 (講談社ノベルス)ルー=ガルー 忌避すべき狼 (講談社ノベルス)
(2009/10/22)
京極 夏彦

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電子書籍版
ルー=ガルー1 忌避すべき狼 (ReaderStore)



つうか、アレ・・・前作は徳間書店から出てたんじゃなかったっけ。いつの間に講談社に・・・。
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