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抒情の奇妙な冒険

2008年11月22日 22:20

ハヤカワSFシリーズ Jコレクションというものがある。青のグラデーションが背表紙の四六判変型ソフトカバーだ。そのシリーズ名の通り、主にSF小説が刊行されている。最近私はこの色の背表紙を検索対象にして、書店の本棚を眺めることが多い。そんなときに見つけたのが「抒情の奇妙な冒険」だ。このタイトルセンス、またもや田中啓文かと思いきや、違った。笹公人、歌人である。そして「抒情の奇妙な冒険」は笹公人の三冊目の歌集である。

抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)抒情の奇妙な冒険 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
(2008/03/20)
笹 公人

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古き良き昭和、80年代、90年代、現在と、まるでタイムトラベルしているかのような連作短歌。行き着く果ては、懐かしき未来。

何故に短歌、どこがSF、どうしたんだハヤカワSFシリーズ、と好奇心から手を出してみたが、なかなかどうして。面白い。世間的に受け入れられるか否かはとにかくとして、こういう試みは好きだな。

せっかくなのでいくつか心に残った短歌を紹介しよう。



ベーゴマのたたかう音が消えるとき隣町からゆうやみがくる

ゆうぐれの商店街を過ぎてゆく子供・自転車・豆腐屋の音

三億円の話をすると目をそらす国分寺「喫茶BON」のマスター

ファミコンとたけし城からサバイバルを学びし子らの真っ白な靴

えんぴつで書かれた「おしん」の三文字にベータのテープを抱きしめており

トラウマなる言葉の意味を知りたるは冒険の書が消えたあの夜

ミクシィは二時間以内に控えよと守護霊辰之進は申せり

どんぶりを呑むギャル曽根を見つめてる戦争孤児の無数の瞳

放射能の赤が世界を染める頃もムーピー・ゲームにふける人々

憧れは999の食堂で銀河を見つつ食べるビフテキ





昭和ノスタルジーといいつつも、昭和世代ではない私には理解できなかったネタはいくつもある。加えて、現代のネタも、あと数年したらすっかり時代に埋没しているだろうというのもある。例えば、HGとかハンカチ王子とか楳図ハウスとか・・・。そういうものの存在が喚起されるとき、感じるのは間違いなく懐かしいという気持ち。いま昭和が「古き良き時代」と言われているが、十数年後、平成という時代はどのように思われるのだろうか。






蛇足。
トイレットペーパーが使われるようになった以前は、便所に張ってある縄で拭いたそうな。以上、昔仕入れたトイレに関する雑学。(なに突然汚い話を・・・と思った人、是非『抒情の奇妙な冒険』とその解説を読んでいただきたい。)
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