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雨の檻

2007年04月13日 21:51

雨の檻 / 菅 浩江

菅浩江の名前は、『少年の時間』に収録されていた短編『夜を駆けるドギー』で知った。このときから気になる作家の一人になってはいたんだけど、なかなか他の作品を読むチャンスに恵まれず。ようやく先日古本屋にて『雨の檻』を入手した。発行が1993年なので、ちょっと古い。調べてみたらどうやら今は絶版(復刊ドットコム)。古いといっても時代遅れっていうわけじゃなくて、なんとなくノスタルジックな雰囲気がある。心の微妙な動きを捉えた、良い意味で女流SF作家らしい作品だと思う。


雨の檻
宇宙船の無菌室で女性型ロボット「フィー」と二人きりの毎日を過ごす少女「シノ」。だけどだんだんフィーが狂うようになってきて…。

カーマイン・レッド
芸術を学ぼうとしている機械人形「ピイ」と虐められっこ「サチオ」奇妙な友情。少年というひとときのゆらぎを描く。

セピアの迷彩
オリジナルの望む生き方に縛られたクローンの人生の意義を問う作品。もう一人の自分に対する復讐そして許し。

そばかすのフィギュア
<NNP(ニューラル・ネットワーク・プランツ)について――。NNPは電気情報を伝えることのできる全く新しい植物です。特殊培養液の中でのみ成長し、発芽してすぐは電向性があります。ポリマーの孔から沁みた培養液によって発芽すると、ミクロの細さの菌糸状繊維が電気的にマーキングされたもの(今回はULSIの金属端子)に向けて成長し、その後、ULSIからえた情報通りにニューロン・ネットワークを展開します。繊維はさらにポリマーの孔を通してボディ全体に侵入し、キットの動きまでを制御します。>
電子頭脳と擬似神経を組み込まれたフィギュアは生き生きと動き喋るようになる。オタクごころとSFごころをくすぐるSF的小道具だね。

カトレアの真実
病気の蔓延る街で、退廃的な生活を送る少女の狂気の記録。

お夏 清十郎
意識のみを過去に跳ばすことのできる時遡能力。いきなり歴史の真実を紐解くような研究を行うと影響が大きいので、テストケースとして過去の日本舞踊を観察し復活させることに利用された。時遡の副作用で舞えなくなった白扇流家元の孤独と生き様。なんで日舞なんだろう、と思ったけど作者自身が日本舞踊正派若柳流名取りだかららしい。

ブルー・フライト
優秀な遺伝子を持って生まれてきた試験管ベビーには期待が圧し掛かっていた。それに縛られた少女たちの成功と破滅の物語。高校二年時のデビュー作。


追記:
2007年9月『そばかすのフィギュア』と改題され発行。

そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)
(2007/09/21)
菅 浩江

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コメント

  1. ユキノ | URL | -

    ロボット・時遡能力、うーん面白そう!
    なんかツボな感じの本ですね。

    絶版、残念です(TT)
    少しさがしてみたいと思います。

  2. みね尾 | URL | NJl7JW7A

    1993年といえばもう14年も前の本なわけですよね・・・。解説に「ニフティ・サーブ」とか出てきて時代を感じます。
    絶版ではありますが、どこかで見つけられますよーに。

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