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猫たちの聖夜

2007年01月17日 06:59

長門さんの100冊のなかの一冊。
殺されるのも猫、殺すのも猫、探偵も猫。

なにやらいわくつきらしい古い家に引っ越してきたフランシスは、庭に首を裂かれた猫の死体があるのを発見してしまう。現場に居合わせたメイン・クーンの青髭によるとこれで殺された猫は四匹目だそうだ。理屈屋フランシスがこの連続殺猫事件の謎に挑む。

猫たちの聖夜 猫たちの聖夜
アキフ ピリンチ (1997/11)
早川書房

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ミステリーとしてはなかなか変わっている。キャラクターが猫なので人間にはない能力がどれほどまで事件とその解決に関係してくるかが、人間の読者としては計りづらいからである。よって状況的に誰が犯猫なのかというより、殺猫の動機から犯猫を導き出していく必要がある。そしてその動機って言うのが、やっぱり我々人間が認識している「猫」からは想像しがたい。というわけで謎解きという意味では勝手が違ってなかなか難しいと思ったり。


この小説の猫はなかなかリアル。探偵やったり、パソコンを操ったり、宗教にのめりこんだりする猫のどこが現実的なんだといわれると困るのだが、そういう人間臭さが追加されている以外はちゃんときちんと猫なのだ。あ、あと実際の猫よりかなり活動的だけど。家で一日中ゴロゴロしているような猫じゃ探偵にはなれないし、そもそもそんなんじゃ事件すら起こらないだろうから仕方のないことなんだろう。

この猫ミステリーの特筆すべき点は、原作者による注釈。なんと小説の中の猫たちのしぐさに、猫の生態や特徴をより詳しく説明した注釈がついているのだ。これはかなりポイントが高い。しっかり「猫」を掴んで書かれているというのは、猫好きにとってたまらない。たとえば
グスタフは、ぼくと話をするときは決まって妙ちくりんな赤ちゃん言葉を使う。べつに気にはならない。というのも、もしぼくがグスタフとことばで話をするとしたら、やはりおなじような幼稚な言葉を採用するだろうからだ。
言わなくても解るだろうが、「ぼく」が猫のフランシスで「グスタフ」が飼い主の人間である。なかなか皮肉なことを言ってくれるけど、そういうところが猫だから許せるんだよね。
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