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涼宮ハルヒについて大いに語る。その六。

2006年11月28日 07:57

涼宮ハルヒの動揺 涼宮ハルヒの動揺
谷川 流 (2005/03/31)
角川書店

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またまた短編集。収録作品は『ライブアライブ』『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』『ヒトメボレLOVER』『猫はどこに行った?』『朝比奈みくるの憂鬱』。

『ライブアライブ』
これはTVアニメのインパクトがあまりにも強すぎて、原作が霞んでいた。もう私の脳内ではバンド名=ENOZだったんだけど、原作にはそういう表記は一切ないのね。おまけに本来のバンドメンバーも3人だったっていう設定だし。これは京都アニメの遊び心だな。みればわかるだろうけどENOZを逆から読んでZONE。京アニスタッフに熱心なZONEファンがいるとみた。『ふもっふ』でも林水生徒会長が持っていた扇子に、そんなことが書いてあったもんな。まあ詳しくはアニメの回で(この連載がそれまで続いたとして)。


『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』
SOS団による自主制作映画の内容。ひたすらフォローを入れまくったり、つっこんだり、古泉に殺意を抱いたりするキョン、お疲れさま。TVアニメの第一話を飾ったエピソードでもある。退屈とセットでどうぞ。


『ヒトメボレLOVER』
実はあんまり好きじゃない話。キョンの友人中河が個人的に受け入れられない。というか有希に近づく男が片っ端から許せない父の気分(笑。
さんざん将来設計とか大仰に語って、10年待っててくれと懇願したくせに、長門に見出していた魅力が長門自身によるものじゃないとわかったとたん、やっぱ取り消してとかって誠意が一切感じられん。まあ責任を持って最後まで諦めてくれないのも嫌なわけだけど。つまりどっちみち、嫌なキャラ決定。


『猫はどこに行った?』
冬の山荘(鶴屋家所有)で行われた推理ゲームpresented by 古泉。てか、芝居が白々しすぎ。ヒントがわざとらしすぎ。段取りが悪すぎ。古泉、まじめにやれ。読んでいるこっちがやきもきしてしまったじゃないか。「いくら芝居だと言え芝居じみすぎているな」とキョンも言ってるけど、孤島での迫真の演技っぷりはどうしたんだー。

「実は雪が降り出してからでないと少々都合が悪いのです。予報では昼以降に雪となっていますから、それまでお待ちください(略)降り続いている状況が必要なのです。いえ、これ以上はまだ言えません。いわゆるトリックに関わってくるものですから」 (p190)
ここまで言っちゃったらトリックの半分を明かしたのも同然だろうに。

「みなさん、今ちょうど午後四時になりました」
生番組のタイムキーパー並みに時間を気にする古泉は、
「ここからは自由時間です。ただし四時三十分前にはここに集合するようにしてください。それと、できれば外出はご遠慮願います。むろん、犯人以外の人はという意味ですけどね」 (p207)
なんか水を差された気分になる。

「犯人はあくまで単独犯という前提ですし、荒川さんと森さんは決して嘘の証言をしない設定です。ついでに言ってしまいましょう、このお二人は犯人ではありません。ゲームマスターの僕が保障するのだから間違いありませんよ」と古泉。 (p216)
ネタばらししすぎでないのか。

「ヒントを出したほうがいいですか?」 (p222)
でしゃばるなよ。キョンもヒントなしで頑張れよ。

で、あまつさえ
「犯人の特定が困難になるからの措置です(略)ゲームが難しくなりすぎますからね」 (p230)
と言い訳するも、ずいぶんとあっさりハルヒ&鶴屋さんコンビにトリックを見破られてしまう。


あえて好意的に解釈するならば。
もし理詰めで殺人事件の犯人を挙げようと思ったら、その推理過程はこのくらいガチガチの一本道でないといけないのだろう。多くの不確定要素の上に成り立った推理はあくまでもタダの憶測でしかない。故意にわざとらしく演出することによって、実際の状況から犯人の手がかりにたどり着くまでがどんなに困難なのかを実演してくれたのだ。推理小説に書かれているような名探偵の推理が、いかに偶然の産物の上に成り立っていることが多いのかを。

古泉は頑張ってこのトリックを考えたわけである。一からアリバイトリックを構築するより、古今東西に溢れている既刊の推理小説のトリックをパクッたほうが、よっぽど手っ取り早かったんじゃないだろうか。全国津々浦々シャミセンに似た猫を求めてさ迷い歩くより、ハルヒ達(長門は除く)が知らないようなミステリー小説に、使えそうなトリックが出てこないかどうか調べるほうがよっぽど手間がかからなかったんじゃないかと。だから努力は認めてあげるべきなのだろう。

とはいえ、実際にはあとがきで著者自身が
このような話を考えるハメになったのも「雪山症候群」で古泉が猫がどうとか言っていたせいです。少しは考える身にもなって欲しいとしみじみ思いました。
と書いているので、上記のフォローは意味がないね。


どうでもいいけど全国津々浦々シャミセンに似た猫を求めて飛び回った古泉を想像してちょっとユカイになった。

シャミセンの写真を片手に、猫のいそうな下町を徘徊する古泉。
近所の主婦を見かけると、おばさんキラーのスマイルを振りまいて接触。
「妹が可愛がっていた猫が行方不明になってしまったのですが、この写真の猫に心あたりはないでしょうか」
とかいう美談を作り上げ同情を誘い、シャミセンに似た猫の情報を集める。三毛猫が付近にいるという噂を耳にすれば、カリカリ&マタタビを持って丹念に家と家との塀の隙間や駐車場の車の下を覗き込む。近所の人に怪しい人だとかストーカーだとか誤解を受けつつ、さわやかスマイルで切り抜ける。危うく職質を受けそうになったこともある。それもこれもハルヒが期待を寄せている冬の山荘殺人事件推理ゲームのため…。

ああ、なんだか哀愁が漂うなぁ。

そして猫を確保したらこんどは芸を仕込む必要があるのだ。
身勝手な猫(それも元野良)に、根気よく「待て」を教え込む古泉。
猫をもふもふしたくなるのをグッとこらえて、じっとする猫を見守る古泉。
猫が寝たふりを完璧にこなすまで何日、何週間かかるのだろう。
でもこの猫の出番は二時間ぽっち。

ああ、なんだかちょこっと古泉に同情しそうになったよ。

古泉よ、どうしてそこまで猫を使ったトリックにこだわるのだ。


ま、おそらく猫探しと芸仕込みは「機関」の人間も手伝ってくれたんだろうけどね。そうじゃなかったら、古泉はほんと苦労したことになる。たかがお遊戯レベルの推理ゲームのために(苦笑。


『朝比奈みくるの憂鬱』
この短編の中で唯一SFっぽい話。
なんか一番役に立ってなさそうな未来人みくるが己の使命に戸惑ったり。
未来を書き換えさせないためにみくるは現在に存在しているのだとアピール。



それでは、マッガーレ(次回予告

次は長編『涼宮ハルヒの陰謀』の予定。

関連:
涼宮ハルヒについて大いに語る。その一。
涼宮ハルヒについて大いに語る。その二。
涼宮ハルヒについて大いに語る。その三。
涼宮ハルヒについて大いに語る。その四。
涼宮ハルヒについて大いに語る。その五。
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