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涼宮ハルヒについて大いに語る。その一。

2006年10月15日 09:25

涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流 (2003/06)
角川書店

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とりあえずこのブログで長門有希の100冊に挑んでいるので、せっかくだし『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズについてつらつら思うまま書いてみようと思う。あ、ネタバレ全開なので未読の人注意ね。今すぐ『涼宮ハルヒの憂鬱』を買って来て読み終わってからどうぞ~。(amazonのイメージもいつもより大きめで気合入ってます)

まずはハルヒとの出会いから。あれは去年のことになるのか。2005年夏。書店をうろついて面白そうな本は無いものかと物色していたとき、平積みされていた『涼宮ハルヒの憂鬱』が目に留まった。どーんと活発そうな少女が表紙を飾っている。背景は白。シンプルだ(あとでよく見たら黒でHって入ってたけど)。思わず手にとって見て、裏表紙の紹介文を読む。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた―。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。
ふむ。SFの匂いがする。私はぱらぱらとページをめくった後、この記念すべき一冊目をレジに持っていった。

数日後、ハルヒを読み始めた。冒頭のイラスト――ハルヒがみくるを無理やり脱がせている後ろで黙々と読書する長門の図――に期待感が高まる。そしてプロローグ。キョンのモノローグに共感。
ある日突然謎の転校生が俺のクラスにやって来て、そいつが実は宇宙人とか未来人とかまあそんなかんじで得体の知れない力かなんかを持ってたりして、でもって悪い奴らなんかと戦っていたりして、俺もその闘いに巻き込まれたりすることになればいいじゃん。メインで戦うのはそいつ。俺はフォロー役、おお素晴らしい、頭いーな俺。
奇遇だな、私も同じようなことを思っていた頃があったよ。
しかし現実ってのは意外と厳しい。
実際のところ、俺のいたクラスに転校生が来たことなんて皆無だし、UFOだって見たこともないし、幽霊や妖怪を探しに地元の心霊スポットに行ってもなんも出ないし、机の上の鉛筆を二時間も必死こいて凝視していても一ミクロンも動かないし、前の席の同級生の頭を授業中いっぱい睨んでいても思考を読めるはずもない。
世界の物理法則がよく出来ていることに感心しつつ自嘲しつつ、いつしか俺はテレビのUFO特番や心霊特集をそう熱心に観なくなっていた。いるワケねー……でもちょっとはいて欲しい、みたいな最大公約数的なことを考えるくらいまでに俺も成長したのさ。
まったくお前は私の代弁者か。気が合うな。サイコキネシスの練習は授業中やるものだよなー。

とそんな感じでつかみはバッチリ。
そしてたった一人の文芸部員長門有希の登場でガツンとやられた。ショートカット、本の虫、無口・無表情・無感情・観感動。なんかピンポイントでツボを刺激してくる。これはいいキャラです。おまけに実はこの銀河を統括する情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。なんじゃそりゃ。でもなんか凄そうだし。
この後も二年生の巨乳ロリ系ドジっ娘朝比奈みくるが未来から来た未来人だと告白したり、新学年早々やってきた謎の転校生古泉一樹の正体が実は超能力者だとか、まあ非現実的な話が続くのだが、既に長門さん一筋の私にはどーでもよかった(笑。あ、長門さんを図書館に連れて行ったキョン、グッジョブ!

そして物語は(長門中心視点で)クライマックスを迎える。

放課後誰もいない教室におびき寄せられたキョン。
突如ナイフで襲い掛かってくるAAランクプラスの朝倉涼子。
情報操作で出入り口の無い密室へと変貌した教室。
キョン、ピンチ。絶体絶命。
その時。
天井をぶち破って現れ、朝倉のナイフを素手で握って止めた、長門有希。(喚声
朝倉の攻撃を次々無効化していくものの、キョンを守りながらの闘いは不利だった。
キョンを襲ったいくつかの槍をその身をもって受け止める。
ダメージを受けた長門に朝倉がトドメの手を―。
自ら生み出した血溜まりの上で、朝倉に貫かれた長門。
その長門がつぶやいた「終わった」という言葉。
「情報連結解除、開始」
優劣は逆転し、朝倉は光の結晶となってこの世から消え去ってしまった。
魔法のように教室が正常な空間に戻っていく。

この閉鎖された教室での攻防が一番心躍った。
長門さんカッコよすぎるから。
「あ」
わずかに唇を開いた。
「眼鏡の再構成をわすれた」
「……してないほうが可愛いと思うぞ。俺には眼鏡属性ないし」
「眼鏡属性って何?」
「なんでもない。ただの妄言だ」
「そう」
このあと、長門は眼鏡をかけるのをやめた。愛いヤツよのう。

ちなみに眼鏡ありの長門がいいか眼鏡なしの長門がいいか派閥がある模様である。
長門かわいいよ長門派
├― 眼鏡の長門が一番だよ派
|   ├─ メガネスキー派(二大派閥その1)
|   |   ├─ 最初の長門がいいよ(初期設定派)
|   |   ├─ 眼鏡っ娘は無条件に萌えるよ(眼鏡フェチ派)
|   |   └─ 何で眼鏡やめたのかわからないよ(谷口派)
|   ├─ メガネっ娘は心にメガネをかけているからメガネを外してもメガネっ娘だよ(心にメガネ派)
|   ├─ 眼鏡なしにしたのは大失敗だよ(谷川薬中派)
|   └─ 眼鏡のない長門はただの綾並だよ(急進的エヴァ至上派)

├― 眼鏡かけてないほうが好きだよ派 (二大派閥その2)
|   ├─ 現状が一番だよ(公式派)
|   └─ 俺には眼鏡属性はないんだよ(キョン派)

├― 文章だから絵は自分で妄想するよ派(脳内補完派)

├― つけたり外したりするのが好きだよ派(パーツ派)
|   ├─ 眼鏡があったほうがバランスいいよ(退屈の表紙萌え派)
|   └─ 眼鏡を咥えそうな仕草にエロスを感じるよ(シーア派)

├― 長門自身が眼鏡をかけたくないよ派(なりきり派)
|   ├─ 注射器の原料だよ(長門薬中派)
|   └─ 長門はレンズ越しじゃなくて直にキョンの顔を見たいよ(乙女回路搭載派)

└― 眼鏡がないと特殊効果が発動するよ派(RPG派)
    ├─ 相手が石化するよ(ライダー派)
    ├─ 眼鏡がないとレーザーが出るよ(ミクル派)
    └─ 眼鏡がないとチャームが発動するよ(君の瞳は1万ボルト派)
私は「つけたり外したりするのが好きだよ派」。普段ははずしている長門さんが可愛いと思うけど、なんかたまに眼鏡ありだとアクセントがついていいと思うんだな。うん。って誰も聞いてねぇし。閑話休題。
んで、朝比奈みくるの未来大人バージョンが登場したり、古泉が閉鎖空間内で能力を使うサマを見せてくれたりしたが、やっぱり長門さんオンリーの私にはあまり興味をそそられなかったんだな。
最後の山場。ハルヒと二人っきりで閉鎖空間に入り込んでしまったキョン。閉鎖空間にハルヒが興味を持ってしまったら、もう以前の世界には帰れなくなってしまう。途方にくれるキョンに長門の救いの手が差し伸べられる。
YUKI.N>みえてる?
に始まる(長門中心視点の)名シーン。

ちなみにこれのスクリーンセイバーを配布しているサイトあり。
Disconnected Place... ~切り離された空間~
このシーンを完璧に再現していて素晴らしい出来だと思う。
さらに一定確率で発生する遊び心がナイス。

白雪姫的ベタベタな手段で閉鎖空間を抜け出したキョンとハルヒ。いやハルヒシリーズ化決定前だったということを考えるとなかなか綺麗にまとまっていると思うけど。一本で完結だと思ったからこそ作者もこういうオチをつけたのだろうな。

とにかく終わりよければ全てよし。ハルヒ主催のSOS団にまた平和が戻ってきたのだ。
そしてエピローグ。
「教えてくれ。お前みたいな奴は、お前の他にどれだけ地球にいるんだ?」
「けっこう」
「なあ、また朝倉みたいなのに俺は襲われたりするのかな」
「だいじょうぶ」
この時だけ長門は顔を上げ、俺を見つめた。
「あたしがさせない」
…ノックアウト。くそー。キョンがうらやましいぜ。
しかし、最初読んだとき一つ気になったことがあったんだよね。長門さんの通常の一人称は「わたし」。なぜ最後の最後だけ「あたし」になったんだろうか。ハルヒとみくるの一人称は「あたし」だから単純に校正ミスかな、とも思ったんだけど。『涼宮ハルヒの憂鬱』がこれ一作で完結する予定だったことを考えると、長門さんの脱・無機質キャラを示唆してたのかな、と。これから長門さんに感情が芽生えるんだよ、もうただの機械人形(比喩的な意味合いで)じゃないんだよ、ちょっとずつ人間っぽくなっていくんだよ、とか。次の巻ではまた「わたし」に戻ってるんだけどね。シリーズ化された今では、急激に長門さんのキャラを変えるわけにはいかなくなったんじゃないかな。長門さんの変化は少しずつキョンが感じていくように仕向けたかったから。
戸口で佇む長門はあの長門だった。眼鏡っ娘以前以後で分類するなら確実に以後の、ほんの少し硬さが緩んだ長門有希だ。三年前のこいつに出会ってそれが解った。俺がハルヒに連れて行かれて文芸部室で対面した長門より、目の前の長門は確かに変化を遂げている。たぶんだが、本人にもわからないくらいの。
『涼宮ハルヒの退屈』笹の葉ラプソディ


さて。心おもむくままに書き続けていたら、ハルヒシリーズの第一巻にしか触れてないのに、この文章量。ひょっとしてこのブログの新記録か!?このまま溜息、退屈、消失、暴走、動揺、陰謀、憤慨そしてアニメと書き続けるととんでもないことになりそうなので、今回はココらへんで終わりにしておく。ハルヒ(というか長門さん!)に関しては結構書きたいことがありそうなので、また気が向いたら続きを書こうと思う。
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コメント

  1. ていこ | URL | -

    すっごくすっごくすっごく野暮なことを言うようなんですが。笹の葉ラプソディって、私は実は嫌いなんです。ハルヒで珍しく論理が(というか、物語が)破綻してる。

    というのも、その三年前の長門さん、短冊をもらって同期してて。「眼鏡ッ娘」以前の長門さんがN、「憂鬱」直後の長門さんがN'とすると。
    三年前の長門さんはすでにN'になってしまったわけで。(しかも、同一の時間軸内での移動らしいことは話中で言及されてる)「眼鏡ッ娘」時の長門さんも勿論、その三年前の長門さんの継続なわけで。じゃあ、Nは三年前以降は存在しない長門さんな筈なのに、定義時では「『憂鬱』内での明確な区切り」を基準にNとN'を別けたはずで・・・

  2. みねお | URL | NJl7JW7A

    ふむ。言われて『笹の葉~』と『消失』を読み返してみました。『笹の葉』のほうでは単純に三年前の長門(N)が、キョンがやってきた時間の長門(N')と同期をとった、というような描写しかなかったけど、『消失』では、一回目の同期をとった後の三年前の長門にキョンは眼鏡っ娘以後、冬以前の長門(N')を見出しているね。となると、長門(N)は何処に消えてしまったのだ、という疑問が残るわけか。
    いくつかつじつまの合う理由を考えてみると
    1)三年前~『憂鬱』までの期間に長門の貯蓄された感情がリセットされるような事件が起こるのかもしれない。そのうち本編で語られる事件なのかも。でも特に伏線は無いよね。
    2)キョンが初めて部室で会った長門は無感情の長門(N)で無ければいけないという既定事項がある。よって長門(N')は故意に長門(N)の状態を演じていた。もしくはその感情部分の情報を凍結していた。

    まあ、どっちにしろ、長門(N')のまま『憂鬱』での出会いに突入しては都合が悪いわけですな。これは本編で消化されるんでしょうかね。(マリみてでいう所の桜組伝説のような無理やりなつじつまあわせにならないことを願います(笑))

  3. みねお | URL | -

    この件に関しては「涼宮ハルヒについて大いに語る。その四。」で再考してみたのでよろしければそちらもあわせてどうぞ。

    http://espider.blog78.fc2.com/blog-entry-168.html

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