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銀河帝国の弘法も筆の誤り:駄洒落SF~あるいは味噌汁とカレーライスについて

2004年07月13日 00:00

銀河帝国の弘法も筆の誤り 銀河帝国の弘法も筆の誤り
田中 啓文 (2001/02)
早川書房

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はっきりいって、これほど読者を馬鹿にするような小説は読んだことがなかった。人がせっかく真剣に読んでいるのに、最後の最後でまじめに読んでいたことを後悔することになるとは。後味すっきりさわやかな読了感なぞ皆無。残るのは、ただただ脱力感と「アホやーー!!」という心の中で叫んだこだま。
と、こんな紹介をしたが、これ、いちおう褒め言葉として受け取ってもらいたい。
この本は星雲賞日本短編部門受賞し、「SFが読みたい!2002年版」で国内ランキング4位に選ばれている。しかし。本気でこんな駄洒落SFが賞を取り、4位に選ばれたのか、と疑いたくなる。が、よくよく考えてみるとくだらない駄洒落と一発ネタを肯定できるほど、SFとして完成しているのかなとも思えてくる…のかな。

さて、この本を面白く(別の言葉で言い換えれば馬鹿馬鹿しく)しているのは、五つの短編のそれぞれに小林泰三や牧野修などの作家が解説をつけているのだ。それも、田中啓文をけなすという趣旨で。そしてそれに田中啓文はいたってまじめ(?)に反論しているのだ。さらに、この本の帯には、「それでも私たちは、この本を推薦できません」という文字があり、有名作家の名がずらりと並んでいる。なかなか手が込んでいるよ。それから、この時代錯誤なエイリアンと美女の表紙も妙に作品になじんでいて面白い。

ちょこっと(結構)下品でもあるが、今まで読んだこともないようなSFという意味では面白かった。でも、これ、人にお薦めするにはちと勇気がいるか。自分の品位を疑われてしまうかもしれないからね。それでもあえて言うが、私は「銀河を駆ける呪詛」が好きだったりする。このオチがたまらない。


この作者の本:田中啓文
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