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大宇宙の魔女 : シャンブロウ!シャンブロウ!

2009年10月18日 23:37

大宇宙の魔女
大宇宙の魔女 ノースウェスト・スミス (ハヤカワ文庫 SF 36)

前々から読んでみたいと思っていた作品ではあるのだが、書店で探してみてもなかなか見つけることが出来なかった。それを去年吉祥寺古本屋めぐりをしたときに戦利品として手に入れた。そのまま一年近く積んでしまっていたのを、ようやく読むことが出来た。

書店で見つからなかったのも無理はなく、実は絶版だったらしい。1971年に初版がでて1999年に一度復刊されるも、今は入手が難しいとか。

「大宇宙の魔女」は熱線銃を片手に危ない仕事を請け負いながら惑星をまたにかける男、ノースウエスト・スミスが主人公の短編集。収録作品は「シャンブロウ」「黒い渇き」「真紅の夢」「神々の塵」。作者はC.L.ムーア、女流作家である。

「大宇宙の魔女」といえばSF界で美女の代名詞ともなった「シャンブロウ」が有名すぎるほど有名。女性の美しさ妖艶さ儚さ神秘さ淫らさそして恐ろしさ。そのイメージが松本零士によるイラストと絡み合って相乗効果を生み出している。

「シャンブロウ」のエロさ。エロと書くと低級で浅薄な感じがしてしまうが…、もっと、こう、濃厚かつ繊細で、どろどろしているけど幻想的で、直球ではないけど扇情的で。エロいっていうより官能的って言ったほうがいいのか。まあ、とにかく「シャンブロウ」はN.W.スミスシリーズを代表するだけあって読み応えがある。

実はあとがきに「シャンブロウ」について、かのHPラヴクラフトの感想が載っている。

「<シャンブロウ>は大変な名作である。その壮麗な導入部の恐怖を秘めた旋律は、未知なるものの存在を不気味に暗示しながら進んでいく。理由は示されるままに、群衆が抱く恐怖によってそれとなく示唆されているそれの精緻な邪悪さはきわめて力強い。――そしてまた、それに関する描写は、その正体があきらかになったあとも決して読者を失望させることはない。この作品には本当の意味の雰囲気と、そして、緊迫感にみちている。」


正体が明らかになった後も読者を失望させないこと、これは非常に大事なことだと思う。B級のホラー映画とか、恐怖の存在の正体がわかったとたん白ける。そういえば、あんまりホラー映画とか見ないほうだけど「ジーパーズクリーパーズ」はひどかったなぁ。あまりのことに笑えた。

閑話休題。

ラヴクラフトといえば、四編目「神々の塵」がクトゥルフっぽくて結構気に入っている。酒場で出会った小男がスミスとその相棒ヤロールが持ちかける、古代の神が朽ち果てたあとに残ったとされる塵を手に入れるという仕事。それを引き受けたスミスらは、古代の洞窟で目に見えない怪奇なものと、名状しがたき未知の力に襲われ、危うく想像を絶する狂気に追い込まれそうになる。



「大宇宙の魔女」は、私の中の【これを読んどかなきゃSF者は名乗れない】必読SF小説リストを埋めていく運動の一環として半ばノルマじみたものを感じていた。逆に言うと「大宇宙の魔女」さえ押さえておけば、シリーズである「異次元の女王」「暗黒界の妖精」はどうでもいいと思っていた。だが「大宇宙の魔女」を読み終えたいま、残りの二冊も手に入れたくなってきた。作品を読むだけなら、ノースウエスト・スミス・シリーズ全13編で改訳決定版の「シャンブロウ(論創社)」があるらしいけど。松本零士のイラストもとめて、古書店めぐりに力を入れようか。

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