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好奇心猫を殺す

2006年10月21日 20:16

好奇心猫を殺すというのは、余計なことに首をつっこむと死にますよ、ってことだが、この慣用句の意味やルーツはさておき。

猫の尿の臭いの元、とりあえずみつかる

猫のおしっこがクサイのは、たんぱく質の所為だという。理化学研究所と岩手大のグループが03年に発見した猫特有のこのたんぱく質は「コーキシン」と命名された。猫は好奇心が強いから、だそうだ。

コーキシンはcauxinでcarboxylesterase-like urinary excreted protein の略らしい。後付けっぽいけど面白いから許す。

化学物質の名前って変なものが多いよなと、思ってたんだけど、面白い化合物の名前を集めたサイトを見てさらにびっくり。


☆ネーミングいろいろ(2) ~日本語を含む化合物名~

オカラミンとかパープリンとかシクロアワオドリンとか・・・。マツタケオールのオールってアルコール類のolだったんだ。



さて。好奇心猫を殺すについて少しだけ。
英語で言うとcuriosity killed the cat。ちょっと調べてみたところ、16世紀にはcare kills a catという言い回しがあったようだ。careとは心配事や不安なんかのことで、心配ばっかりしていると、心臓に悪くて早死にするぞ、という意味だったらしい。それがだんだん変化してcare(心配)からcuriosity(好奇心)になっていったっぽい。となると、ルーツと現在のでは意味が全然違うってことになる。猫は心配しているより、好奇心いっぱいのほうがいいから、現在の言い回しのほうがしっくりとはくるけど。



この動画に出てくる猫みたいに、光を追いかけて自爆したり、妙なところに乗ろうとして自滅したり。好奇心いっぱいの猫に幸いあれ。
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サマー/タイム/トラベラー関連作品

2006年10月21日 02:22

サマー/タイム/トラベラーに登場したもしくは関係があると思われる作品一覧

タイムトラベル関係(順不同)
梶尾真治のエッセイ集・入門書
タイムマシン / H.G. ウェルズ
トムは真夜中の庭で / フィリパ・ピアス
たんぽぽ娘 / ロバート・F・ヤング
ある日どこかで / リチャード マシスン
レベル3 / ジャック フィニイ
ゲイルズバーグの春を愛す / ジャック・フィニイ
夢の10セント銀貨 / ジャック・フィニイ
マリオンの壁 / ジャック フィニイ
ふりだしに戻る〈上〉 / ジャック・フィニイ
時の旅人 / ジャック・フィニイ
*夜の冒険者たち / ジャック・フィニイ
*盗まれた街 / ジャック・フィニイ
時をかける少女 〈新装版〉 / 筒井 康隆 →感想

ジェニーの肖像 / ロバート・ネイサン
ここがウィネトカならきみはジュディ / F・M・バズビイ(『タイムトラベラー』に収録)
リプレイ / ケン・グリムウッド
夏への扉 / ロバート・A・ハインライン
時間衝突 / バリントン・J・ベイリー
酔歩する男 / 小林 泰三(『玩具修理者』に収録) →感想
果しなき流れの果に / 小松 左京
タイム・リープ―あしたはきのう (上) / 高畑 京一郎 →感想
マリーン / 萩尾 望都(『ゴールデンライラック』に収録)
マイナス・ゼロ / 広瀬 正
スキップ / 北村 薫
ターン / 北村 薫
リセット / 北村 薫
ミラーグラスのモーツァルト / スターリング(『タイムトラベラー』に収録)
たんぽぽのお酒 / レイ ブラッドベリ
雷のような音 / レイ・ブラッドベリ(『太陽の黄金の林檎』に収録) →感想
プロテウス・オペレーション〈上〉 / ジェイムズ・P. ホーガン
時間泥棒 / ジェイムズ・P. ホーガン
J.F.ケネディを救え / スタンリー シャピロ
ダラス暗殺未遂〈上〉 / ジョージ ベアナウ
ウィンターズ・テイル〈上〉 / マーク ヘルプリン
金星樹―SF短篇集 / 佐藤 史生
ライトニング / ディーン・R・クーンツ # 人物紹介欄でネタバレらしい
ゆめのかよいじ / 大野 安之
ハドソン・ベイ毛布よ永遠に / ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(『故郷から10000光年』に収録)
オーロラの彼方へ / トビー エメリッヒ 
ポーの一族 (1) / 萩尾 望都
タイム・パトロール / ポール・アンダースン
敵艦見ユ / 広瀬正(『タイムトラベルSF傑作戦』に収録)
世にも奇妙な物語 映画の特別編〈特別版〉 / タモリ
愛の手紙 / ジャック・フィニイ(『ゲイルズバーグの春を愛す』に収録)
ラ・ジュテ / サン・ソレイユ / クリス・マルケル
12モンキーズ / ブルース・ウィリス
猿の惑星 BOX SET(五部作) / チャールトン・ヘストン
夕ばえ作戦 / 光瀬 龍
バック・トゥ・ザ・フューチャー / マイケル・J・フォックス
スター・トレック ファースト・コンタクト / パトリック・スチュワート


その他
戦う操縦士 / アントワーヌ ド・サン=テグジュペリ
伝奇集 / J.L. ボルヘス
徳川家康〈5 うず潮の巻〉 / 山岡 荘八
ぼくを探しに / シェル・シルヴァスタイン
火星のプリンセス / エドガー・ライス・バローズ
ライ麦畑でつかまえて / J.D.サリンジャー
アルジャーノンに花束を / ダニエル キイス # 涼のしぐさがアルジャーノン
フラーがぼくたちに話したこと / リチャード J.ブレネマン
罪と罰〈上〉 / ドストエフスキー # 饗子の理想の恋人像がラスコーリニコフ
霧笛 / レイ・ブラッドベリ(『ウは宇宙船のウ』に収録)  
茄子 アンダルシアの夏 / 黒田硫黄
銀河パトロール隊―レンズマン・シリーズ〈1〉 / E.E. スミス # ボスコーンとか
ロード・オブ・ザ・リング / ピーター・ジャクソン # ホビット庄とか


悠有の飼っている猫の名前
ペテロニウス(=ピート)夏への扉に出てくる雄猫
ク・メル 人類補完機構シリーズに出てくる猫娘
チェシャ 不思議の国のアリスのチェシャ猫
ジェニィ ジェニィ / ポール ギャリコ
ハミイー リングワールドに出てくる獣への話し手と呼ばれるネコに似た獰猛で肉食性の種族(クジン人)
アプロ 敵は海賊シリーズに出てくる黒猫型宇宙人


ぱっと目に付いた作品、心当たりのある作品を抜き出してみた。自己満足用。見落としとか、調べるのが面倒になったのとかあると思う。


とりあえずサマー/タイム/トラベラーの饗子がお気に入りらしいフィニイの作品を読んでみたいかな。

サマー/タイム/トラベラー

2006年10月20日 07:27

なんかハルヒ関連の話題が続いてしまったので、ちょっと違うものを。


サマー/タイム/トラベラーを読んだ。
SFが読みたい2006年版でベストSF国内篇5位。
第37回星雲賞受賞。


サマー/タイム/トラベラー (1)  ハヤカワ文庫 JA (745) サマー/タイム/トラベラー1
新城 カズマ (2005/06/16)
早川書房

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サマー/タイム/トラベラー2 サマー/タイム/トラベラー2
新城 カズマ (2005/07/21)
早川書房

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ざっとあらすじを書こうと思ったけど、難しいな。
ストーリーをどうのこうのって追っていくより、主人公たちが経験した夏の空気を感じることが主体となっている作品だからかもしれない。とりあえず、一巻の裏表紙より。

あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ―たった3秒だけ未来へ。<お山>のお嬢様学校に幽閉された響子の号令一下、コージンと涼とぼく、そして悠有の高校生5人組は、「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始した。無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験に夢中になったあの夏―けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは、ぼくには知るよしもなかった。

一巻を読んだとき、これは好みが分かれる小説だな、と思った。作品中に言及されるタイムトラベルもののSFは、知っている人から見れば思わずニヤリとしてしまう楽しさがある。でもSFをあんまり知らないって人にとっては、内輪じみた内容に疎外感を覚えるんじゃないかな。かといって全体としてはハードなSFではなくて、どっちかといえば青春小説としての比重が高い感じ。おまけに舞台背景がやけに新しい。というのも最近は『たそがれに還る』や『トレジャーハンターシリーズ』とか結構古い小説を読んでいたので、アフガンでの戦争だとか、9・11のテロ事件だとか、ソニンの「カレーライスの女」だとか、「茄子 アンダルシアの夏」とかの話題が出てくるのが新鮮だった。



私の最初の感想は、「こんな高校生は嫌だ!」

自称も他称も「頭がいい」
実際IQが高い。
年間150冊ぐらい本を読んでいると豪語。
漫画や雑誌じゃない本を読まない人を見下している。
いきなり「ナッシュ均衡」とか「遺伝子工学の未来と、親を選ぶ権利の発生」とかについて語りだす。
妙に冷めているというか、冷めていると見せかけようとしているというか。
自分達には未来がない、と冷笑する。
自分は何も信じていない、と訴える。
サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んで
「このホールデンってキャラ、なんだかとっても莫迦に思えてしょうがないのよ」
響子によれば大半の人間は莫迦か鈍感になる。という経験則をさっ引いても、彼女の主張にはそれなりに説得力があった。
「度胸がないし、映画が好きなんだか嫌いなんだか分からないし、何でもかんでもit depressed me かit killed meって、読書家っていうわりには文章が下手で語彙が少ないし。(略)」
とのたまく。まあ、同意するけどね。

ちなみにバカを莫迦って書く作家を久しぶりに見た。
でも新井素子が使う莫迦のように優しさが込められていないなぁ。


そんなわけで読む人を選ぶ作品。
私はその閾値の間をふらふらしてる。

語り手である主人公に感情移入も共感もできない。むしろやっかみとか反感とか敵対心とか覚えてしまう。おまけに気を引こうとしてわざと時系列を無視する語り方にどうも好感が持てない。

それでも意外と後味が悪くないのは、エピローグで話がきれいに落ち着いたからだろうか。読んでよかった、とさえ思える。読中と読後のこのギャップに戸惑うな。


一巻も二巻も表紙のイラストがステキ。
やっぱ、夏、タイムトラベル、ときたら猫だろう。しっかりポイントを抑えてある。
この猫の名前も主人公が勝手にピートとか呼ぶのでニヤリ。

長門さんの100冊がひと段落着いたら、サマー/タイム/トラベラーに出てきたSFを読んでみようかな。



蛇足を承知で一言言わせてもらえれば高等部一年マリア組ってそりゃないだろ。いくらキリスト教系の女子校にしても。他の組の名称が気になる。ヨゼフ組とかなのか?ありえねー。これだったらバラ組ユリ組(もしくは松組藤組とか)のほうがはるかにマシだ。

ハレ晴れユカイ フルバージョン

2006年10月19日 05:52

アニメ涼宮ハルヒの憂鬱のED「ハレ晴れユカイ」といえば、しばらく前にネット界を風靡したことで有名である。このハレ晴れユカイエンディングダンスの完全版の絵コンテが、京都アニメのサイトで公開されているという情報を少し前に入手した。これを見て勉強すれば、ついうっかり全部踊れてしまうわけだ。実はこのハレ晴れユカイダンス完全版、アニメDVD7巻の特典映像用らしい。非常に見てみたい。かなり期待。

さて。で、この完全版であるが、絵コンテだけだといまいち動きがわからないなとか思っていたら。なんとこれを映像化したツワモノがいたよ!


いやはやすごいの一言につきる。

ちなみに京アニサイトの製作日記に登場する黒ねこマンは、フルメタル・パニック!サイドアームズ2のあとがきに登場するクロイさんと同一人物なのかな。「黒ねこマン黒井です」って名乗ってるからそうみたい。頑張れクロイさん。

涼宮ハルヒについて大いに語る。その二。

2006年10月17日 22:53

前回の続き。ネタバレ注意。

涼宮ハルヒの憂鬱を読んで、長門さんの戦闘シーンにすっかり心を奪われてしまった私は、早速『涼宮ハルヒの溜息』を買って来た。

涼宮ハルヒの溜息 涼宮ハルヒの溜息
谷川 流 (2003/09)
角川書店

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高校の文化祭でSOS団が自主制作映画を撮影するストーリーだ。撮影中ハルヒの潜在願望によって引き起こされる超常現象を上手く誤魔化し、それでいてハルヒが満足する映画を作り上げなければならないという、理不尽な活動を強いられるSOS団のメンバー。苦労してるねぇ。

『涼宮ハルヒの溜息』の見所は、黒ずくめのマント&トンガリ帽子の長門とその肩に乗っている三毛猫のシャミセン。長門さんの今回の活躍は、あまり目立たないが重要である。目からミクルビームを本当に出してしまう朝比奈さんを毎回押し倒して噛み付かなければならないのだ。

「レーザー」(中略)
「高い指向性を持つ不可視帯域のコヒーレント光」(中略)
「レーザー光線が朝比奈さんの左目から放出されたんですね?」と古泉。
「そう」(中略)
「なんてことだ」
「俺は呻くしかない。
「朝比奈さんは、マジで目からビームを出したのか」
「粒子加速砲ではない。凝縮光」
どっちでもいい。レーザーでもメーザーでもマーカライトファープでも素人目には似たようなもんだ。荷電粒子砲と反陽子砲の違いだって知るものか。怪獣に効果があれば裏付けなんかいらん。
ここで問題とすべきは、怪獣も出てきてないのに朝比奈さんが熱線を出しちまったということだろう。
「熱線ではない。フォトンレーザー」
だからどっちでもいいんだよ、そんな科学考証は。
(『涼宮ハルヒの溜息』 p138-141)
という会話がある。
どーでもいいって言っちゃどーでもいいのかもしれないけど、やっぱこう科学用語は正しく認識すべきだと思うよ、と思ってしまうのが物理人間の哀しき性。

レーザー(Laser)はLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字を取った言葉。レーザーが頭文字だって数年前に初めて知ったときは軽くびっくりしたな。RayとかRazorから派生した言葉だと思ってた。よくよく考えればレーザーはLから始まるんだよね。
レーザー関係は去年みっちり覚えさせられてイヤになって今じゃすっかり忘れたけど。レーザー光は高い指向性を持つ増幅されたコヒーレント光。不可視帯域ってことは、よく見られる赤いレーザーとは違い人間の目には認識できない波長だということ。メーザー(Maser)は、Microwave Amplification by means of Stimulated Emission of Radiationの略でマイクロ波領域でのレーザーを指す。

ビームは細く絞った光や粒子の流れなので、レーザーはビームの一種のはず。となれば、なんで長門さんは否定したのかなぁ。キョンの認識がビーム=粒子加速砲(加速された粒子)だったからかな。光は粒子でもあるけど加速できない(光の速さは常に約30万キロメートル/秒)から粒子加速砲には含まれないだろうし。

凝縮光はレーザーと同義と考えてよいのかな。もしくはレーザーを含む広義の光の束のことか。

マーカライトファープは知らなかったんだけど、どうやら東宝制作の特撮SF映画『地球防衛軍』に登場する兵器らしい。
マーカライトファープ
『地球防衛軍』に登場。直径200メートルの巨大なパラボラアンテナを付けた装置とキャタピラ付の4脚によって構成されている。ミステリアンドームの破壊光線を反射して相手に撃ち返せるだけでなく、同等の光線を照射することが可能。但し、作動時間が限られているのが欠点。なお目標地点までは専用のロケット、マーカライトジャイロによって輸送される。
荷電粒子砲は電荷を帯びている粒子をビームにして打ち出す兵器かな。反陽子は通常の陽子(+)と反対の電荷を帯びている陽子(-)だから、荷電粒子に含まれる気する。どっちみちこれらの兵器はSFの中に出てくる空想兵器だけど。

熱線は「赤外線に同じ」と広辞苑にはある。赤外線は不可視帯域の電磁波(光)だけど、レーザーではないな。

最後のフォトンレーザーはレーザーと同義。フォトンとは光の素粒子の名前(日本語では光子)。


あー何の話だっけ。

とにかく、レーザー、超振動性分子カッター、ライフルダート、マイクロブラックホール、と物騒なものを目から放射するたびに、長門さんに噛まれてそれらを相殺する作用のあるものを注入されるみくるであった。

しかし。長門さんが素早く防がなければ、キョンはレーザーに貫かれるか、見えないカッターに切断されるかしたわけで。いくらハルヒがミクルの目から不思議なものが出ないかな、と望んでしまったとしてもそれが原因でキョンを傷つけることまでは望んでいないはずだ。(「口で何を言おうとハルヒは死者の出るようなことは望みはしない。それくらいのことはあいつを見てれば解る」孤島症候群より)ハルヒだって目からビームが出たら大惨事になるってことぐらい解っていただろうに。この矛盾をどうしたものか。
もしキョンが殺人光線の餌食となってしまっていたら、そのときはそのときでハルヒの能力が発動して無かったこと(もしくは何らかの辻褄あわせ)になるのだろうか。それともハルヒは無意識に長門とその後ろにある統合思念体の力に気がついていて、多少無茶をやってもフォローしてくれるという確信があるのか。それともやっぱりハルヒはそこまで深く考えてなくて、まあ長門さんが上手く止めてくれたからいいようなものの、一歩間違えればキョン→死、というとんでもない事態になっていたとか。まあ勝手な想像を巡らすよりほかないんだけどね。

本編のほうでは古泉の所属する「機関」とみくるが来た「未来」と長門を作った情報統合思念体がなんだか対立しているようなことをほのめかす伏線があったり、なんだかんだでハルヒの映画が完成しておしまい。

一巻に比べるとスリルがない。長門さんの見せ場が地味。とまあ少し期待していたほどではなかったが、十分に楽しめた。それに、アニメの第一話は『退屈』を読んでなければ意味不明だろうから、そういう意味でも読むべし読むべし。

また長くなってきたのでたぶん続く。

涼宮ハルヒについて大いに語る。その一。

2006年10月15日 09:25

涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流 (2003/06)
角川書店

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とりあえずこのブログで長門有希の100冊に挑んでいるので、せっかくだし『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズについてつらつら思うまま書いてみようと思う。あ、ネタバレ全開なので未読の人注意ね。今すぐ『涼宮ハルヒの憂鬱』を買って来て読み終わってからどうぞ~。(amazonのイメージもいつもより大きめで気合入ってます)

まずはハルヒとの出会いから。あれは去年のことになるのか。2005年夏。書店をうろついて面白そうな本は無いものかと物色していたとき、平積みされていた『涼宮ハルヒの憂鬱』が目に留まった。どーんと活発そうな少女が表紙を飾っている。背景は白。シンプルだ(あとでよく見たら黒でHって入ってたけど)。思わず手にとって見て、裏表紙の紹介文を読む。
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた―。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。
ふむ。SFの匂いがする。私はぱらぱらとページをめくった後、この記念すべき一冊目をレジに持っていった。

数日後、ハルヒを読み始めた。冒頭のイラスト――ハルヒがみくるを無理やり脱がせている後ろで黙々と読書する長門の図――に期待感が高まる。そしてプロローグ。キョンのモノローグに共感。
ある日突然謎の転校生が俺のクラスにやって来て、そいつが実は宇宙人とか未来人とかまあそんなかんじで得体の知れない力かなんかを持ってたりして、でもって悪い奴らなんかと戦っていたりして、俺もその闘いに巻き込まれたりすることになればいいじゃん。メインで戦うのはそいつ。俺はフォロー役、おお素晴らしい、頭いーな俺。
奇遇だな、私も同じようなことを思っていた頃があったよ。
しかし現実ってのは意外と厳しい。
実際のところ、俺のいたクラスに転校生が来たことなんて皆無だし、UFOだって見たこともないし、幽霊や妖怪を探しに地元の心霊スポットに行ってもなんも出ないし、机の上の鉛筆を二時間も必死こいて凝視していても一ミクロンも動かないし、前の席の同級生の頭を授業中いっぱい睨んでいても思考を読めるはずもない。
世界の物理法則がよく出来ていることに感心しつつ自嘲しつつ、いつしか俺はテレビのUFO特番や心霊特集をそう熱心に観なくなっていた。いるワケねー……でもちょっとはいて欲しい、みたいな最大公約数的なことを考えるくらいまでに俺も成長したのさ。
まったくお前は私の代弁者か。気が合うな。サイコキネシスの練習は授業中やるものだよなー。

とそんな感じでつかみはバッチリ。
そしてたった一人の文芸部員長門有希の登場でガツンとやられた。ショートカット、本の虫、無口・無表情・無感情・観感動。なんかピンポイントでツボを刺激してくる。これはいいキャラです。おまけに実はこの銀河を統括する情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。なんじゃそりゃ。でもなんか凄そうだし。
この後も二年生の巨乳ロリ系ドジっ娘朝比奈みくるが未来から来た未来人だと告白したり、新学年早々やってきた謎の転校生古泉一樹の正体が実は超能力者だとか、まあ非現実的な話が続くのだが、既に長門さん一筋の私にはどーでもよかった(笑。あ、長門さんを図書館に連れて行ったキョン、グッジョブ!

そして物語は(長門中心視点で)クライマックスを迎える。

放課後誰もいない教室におびき寄せられたキョン。
突如ナイフで襲い掛かってくるAAランクプラスの朝倉涼子。
情報操作で出入り口の無い密室へと変貌した教室。
キョン、ピンチ。絶体絶命。
その時。
天井をぶち破って現れ、朝倉のナイフを素手で握って止めた、長門有希。(喚声
朝倉の攻撃を次々無効化していくものの、キョンを守りながらの闘いは不利だった。
キョンを襲ったいくつかの槍をその身をもって受け止める。
ダメージを受けた長門に朝倉がトドメの手を―。
自ら生み出した血溜まりの上で、朝倉に貫かれた長門。
その長門がつぶやいた「終わった」という言葉。
「情報連結解除、開始」
優劣は逆転し、朝倉は光の結晶となってこの世から消え去ってしまった。
魔法のように教室が正常な空間に戻っていく。

この閉鎖された教室での攻防が一番心躍った。
長門さんカッコよすぎるから。
「あ」
わずかに唇を開いた。
「眼鏡の再構成をわすれた」
「……してないほうが可愛いと思うぞ。俺には眼鏡属性ないし」
「眼鏡属性って何?」
「なんでもない。ただの妄言だ」
「そう」
このあと、長門は眼鏡をかけるのをやめた。愛いヤツよのう。

ちなみに眼鏡ありの長門がいいか眼鏡なしの長門がいいか派閥がある模様である。
長門かわいいよ長門派
├― 眼鏡の長門が一番だよ派
|   ├─ メガネスキー派(二大派閥その1)
|   |   ├─ 最初の長門がいいよ(初期設定派)
|   |   ├─ 眼鏡っ娘は無条件に萌えるよ(眼鏡フェチ派)
|   |   └─ 何で眼鏡やめたのかわからないよ(谷口派)
|   ├─ メガネっ娘は心にメガネをかけているからメガネを外してもメガネっ娘だよ(心にメガネ派)
|   ├─ 眼鏡なしにしたのは大失敗だよ(谷川薬中派)
|   └─ 眼鏡のない長門はただの綾並だよ(急進的エヴァ至上派)

├― 眼鏡かけてないほうが好きだよ派 (二大派閥その2)
|   ├─ 現状が一番だよ(公式派)
|   └─ 俺には眼鏡属性はないんだよ(キョン派)

├― 文章だから絵は自分で妄想するよ派(脳内補完派)

├― つけたり外したりするのが好きだよ派(パーツ派)
|   ├─ 眼鏡があったほうがバランスいいよ(退屈の表紙萌え派)
|   └─ 眼鏡を咥えそうな仕草にエロスを感じるよ(シーア派)

├― 長門自身が眼鏡をかけたくないよ派(なりきり派)
|   ├─ 注射器の原料だよ(長門薬中派)
|   └─ 長門はレンズ越しじゃなくて直にキョンの顔を見たいよ(乙女回路搭載派)

└― 眼鏡がないと特殊効果が発動するよ派(RPG派)
    ├─ 相手が石化するよ(ライダー派)
    ├─ 眼鏡がないとレーザーが出るよ(ミクル派)
    └─ 眼鏡がないとチャームが発動するよ(君の瞳は1万ボルト派)
私は「つけたり外したりするのが好きだよ派」。普段ははずしている長門さんが可愛いと思うけど、なんかたまに眼鏡ありだとアクセントがついていいと思うんだな。うん。って誰も聞いてねぇし。閑話休題。
んで、朝比奈みくるの未来大人バージョンが登場したり、古泉が閉鎖空間内で能力を使うサマを見せてくれたりしたが、やっぱり長門さんオンリーの私にはあまり興味をそそられなかったんだな。
最後の山場。ハルヒと二人っきりで閉鎖空間に入り込んでしまったキョン。閉鎖空間にハルヒが興味を持ってしまったら、もう以前の世界には帰れなくなってしまう。途方にくれるキョンに長門の救いの手が差し伸べられる。
YUKI.N>みえてる?
に始まる(長門中心視点の)名シーン。

ちなみにこれのスクリーンセイバーを配布しているサイトあり。
Disconnected Place... ~切り離された空間~
このシーンを完璧に再現していて素晴らしい出来だと思う。
さらに一定確率で発生する遊び心がナイス。

白雪姫的ベタベタな手段で閉鎖空間を抜け出したキョンとハルヒ。いやハルヒシリーズ化決定前だったということを考えるとなかなか綺麗にまとまっていると思うけど。一本で完結だと思ったからこそ作者もこういうオチをつけたのだろうな。

とにかく終わりよければ全てよし。ハルヒ主催のSOS団にまた平和が戻ってきたのだ。
そしてエピローグ。
「教えてくれ。お前みたいな奴は、お前の他にどれだけ地球にいるんだ?」
「けっこう」
「なあ、また朝倉みたいなのに俺は襲われたりするのかな」
「だいじょうぶ」
この時だけ長門は顔を上げ、俺を見つめた。
「あたしがさせない」
…ノックアウト。くそー。キョンがうらやましいぜ。
しかし、最初読んだとき一つ気になったことがあったんだよね。長門さんの通常の一人称は「わたし」。なぜ最後の最後だけ「あたし」になったんだろうか。ハルヒとみくるの一人称は「あたし」だから単純に校正ミスかな、とも思ったんだけど。『涼宮ハルヒの憂鬱』がこれ一作で完結する予定だったことを考えると、長門さんの脱・無機質キャラを示唆してたのかな、と。これから長門さんに感情が芽生えるんだよ、もうただの機械人形(比喩的な意味合いで)じゃないんだよ、ちょっとずつ人間っぽくなっていくんだよ、とか。次の巻ではまた「わたし」に戻ってるんだけどね。シリーズ化された今では、急激に長門さんのキャラを変えるわけにはいかなくなったんじゃないかな。長門さんの変化は少しずつキョンが感じていくように仕向けたかったから。
戸口で佇む長門はあの長門だった。眼鏡っ娘以前以後で分類するなら確実に以後の、ほんの少し硬さが緩んだ長門有希だ。三年前のこいつに出会ってそれが解った。俺がハルヒに連れて行かれて文芸部室で対面した長門より、目の前の長門は確かに変化を遂げている。たぶんだが、本人にもわからないくらいの。
『涼宮ハルヒの退屈』笹の葉ラプソディ


さて。心おもむくままに書き続けていたら、ハルヒシリーズの第一巻にしか触れてないのに、この文章量。ひょっとしてこのブログの新記録か!?このまま溜息、退屈、消失、暴走、動揺、陰謀、憤慨そしてアニメと書き続けるととんでもないことになりそうなので、今回はココらへんで終わりにしておく。ハルヒ(というか長門さん!)に関しては結構書きたいことがありそうなので、また気が向いたら続きを書こうと思う。

秋の読書にオススメ「長門有希の100冊」

2006年10月14日 20:07

Syu's quiz blogでこのようなものを見つけてしまった。

秋の読書にオススメ「長門有希の100冊」に選らばれたものです

問題の画像はこちら。
長門有希@書店


こーゆーのやってくれないかなーとずっと思ってたんだよな。うちの地元の本屋でもこういうコーナー作らないかな。たぶん色々買っちゃうよ。

トレジャーハンターシリーズ エイリアンなんちゃら

2006年10月13日 03:10

エイリアン妖山記はシリーズ七冊目である。この一冊だけを読んでも長門さんリストを一冊クリアしたことにはなるのだろうが、やっぱりここは正々堂々と一巻から読み進んで見たかったのだ。というわけで七冊(タイトルとしては六つ)ざっとあらすじと感想を。


エイリアン秘宝街 / 菊地 秀行
主人公は凄腕トレジャーハンターの高校生八頭大(やがしらだい)。授業中の大の教室に一人の老人が現れ、大に一言告げるとそのままあの世に行ってしまった。大が老人から受けとったのは、不思議な水晶と見たこともない生物の触手。大は早速老人の正体を調べ、老人の意思を継ぐことにする。老人の孫ゆきと、老人の発見を横取りしようとするヤクザ、そしてこの世の生き物でない何かが入り乱れるなか、老人の遺品の謎が明らかになっていく。

エイリアン魔獣境 (1) / 菊地 秀行
エイリアン魔獣境 (2) / 菊地 秀行
シリーズ二作目にしていきなりアマゾンの奥地へ。そこに待ち構えていたのは、過酷なジャングル、幻のロストワールド、謎の超文明…。前作に登場したゆきの傍若無人っぷりと色気がパワーアップ。

エイリアン黙示録 / 菊地 秀行
あの裏切り者ユダが書き残した黙示録を巡って大は戦いに身を投じる。しかし今回はどうも分が悪い。おまけに全人類の未来が大の肩にかかっているとかいないとか。ゆきの金の亡者っぷりとセクシーさがエスカレート。

エイリアン怪猫伝 / 菊地 秀行
大は街中でほかの人には見えていない老婆に遭遇してしまう。この老婆を見た人間はこごとく不幸が襲い掛かるという。老婆の謎を解くため田舎のお屋敷に乗り込むが、そこでは猫の化け物が猛威を振るっていて・・・。化け猫と老婆の関係は?これははたして誰の呪いなのか。ゆきの自己中っぷりとエロさがランクアップ。

エイリアン魔界航路 / 菊地 秀行
身一つでだだっ広い海に投げ出された大とゆき。彼らの目の前に現れたのは巨大な木造の船だった。途中で助けた女戦士とともに、船に巣食う怪物から身を守りつつ脱出するすべを模索する。ゆきの変わり身の速さと淫乱っぷりがレベルアップ。

エイリアン妖山記 / 菊地 秀行
餓竜山に眠るといわれるお宝の探索にやってきた大とゆき。一見ハイキングにうってつけの普通の山だが、この山に挑んだトレジャーハンターのうち何人かは戻ってこなかった。仕掛けられたトラップをかわしながら、お宝らしき銅版を手に入れる。が、なんと山から出られなくなってしまった。なんとか脱出を試みるが、日本の妖怪が襲ってきたりして…。ゆきのちゃっかりぶりと色情狂具合がグレードアップ。


基本路線は、ルパン三世とインディ・ジョーンズとジェームズボンドを足して割ったみたいな感じ。毎回色っぽい女性ゲストキャラが出てくるあたりがジェームズボンドっぽいね。そんでゆきがルパンでいうところの不二子ちゃん。テンポもよいし、危機に次ぐ危機で息もつかせないし。大が宝探しで稼いだ金を豪快に(賄賂として)ばら撒いたり、凄い武器やガジェットがガンガン登場したり非常にスカッとする。ただ、少々グロかったりエロかったり、ごにょごにょ。

それからタイトルからバレバレだと思うけど、基本的に敵はエイリアン。

ふむ。それにしてもなぜ長門さんはあえてシリーズ七冊目の「エイリアン妖山記」をあげたのか。読んだ七冊の中じゃ一番宝探しモノとして正統派ぽかったからかな。それでいてそれを食ったオチがあるし。

これで長門さんの100冊中16冊クリア。
・・・まだまだ先は長いぞ。

移行完了

2006年10月10日 01:44

だいたい整った感じがするので、移行完了宣言を出させていただきます。



スローペースかもしれませんが、SFを読んだらレビューもどきを書いて、猫に萌えたら共有して、面白いフリーソフトがあれば紹介していきたいと思ってます。

そんなわけでこれからもよろしく。

とりあえず

2006年10月08日 20:41

Livedoor Blogからの引越し作業中。
記事の移行はできたけど、コメントとトラックバックが上手くできない。
おそらく古いコメントの類は消してしまうのであしからず。

カテゴリの整頓とかサイドバーの充実とかできたら本格稼動します。

FC2ブログでもよろしくお願いします。

たそがれに還る

2006年10月01日 00:00

たそがれに還る たそがれに還る
光瀬 龍 (1998/08)
角川春樹事務所

この商品の詳細を見る

長門さんの100冊のうちの一冊。

読み終わってまず調べたことが、この作品の初出。角川文庫の初版は1985年に出ていたのだが、どうやらそれ以前は早川で出していたらしい。
どうも統一性のある検索結果が出なかったのだが、いずれにせよ1963年、1964年あたりに世に出たみたいである。その後1973年にハヤカワ文庫から、1985年に角川文庫、さらに1998年にハルキ文庫から出版されたようである。

初出が60年代だということにも驚きだが、それから35年近く経ってレーベルを変えて再出版されていることにも驚きである。どうやら不朽の名作という賛辞もあながち誇張ではないようだ。

しかし、やはり60年代は60年代。アポロ11号が人類初の月着陸に成功したのが1969年7月20日のことである。当時のNASAのコンピュータは大きな部屋を丸々一個占める大きさで、それでいてその性能はファミリーコンピュータにも劣るものだったと聞く。だが64年にしてみれば、月に行くなんてまだ夢物語で、巨大なコンピュータ頭脳、キーパンチカードなどが最先端技術として目に映っていたのだろう。そのことを考えれば、たそがれに還るの舞台が少し古臭く思えるのも仕方のないことなのだ。キーパンチカードなんて今ではほとんど表舞台に現れないが、そこは目をつぶるしかない。

さて、そういった科学技術の遅れさえ取り除けば、なかなか胸高まるSFであったように思う。

金星に起こった異変。突如調査局員シロウズの目の前に現れた人類によるものではない巨大な建築物の廃墟。そして過去か未来かあるいは他の次元の何者かが人類に告げる、悲劇の予感。空間のひずみにはまり込み行方不明になる大船団。冥王星の地中深く、千二百万年前の地層から発見された宇宙船。再び告げられる<無>と<終焉>の予感。また地球でも別の異星人の宇宙船が発見される。その宇宙船から回収された記憶媒体。その解析により、遠い過去に起こった二つの種族の戦いの歴史が明らかになる。そして“セル”の方向からやってきたなにかに怯えていたことも。<無ハセルニアル> この記録の意味する真実とは。人類は過去の二つの種族を滅ぼしたその危機に今も面しているのだろうか。人類はその未来をかけて、迫りくる災厄のかたちを知ろうとした。太陽系の外に前哨基地を設け、巨大なレーダーでその存在を探るプロジェクトを開始した・・・。

積み重ねられる謎。そこから導き出される<無>の接近。しかし、人類は何もまだ知らないのだ。<無>が何であるかさえ。

全てを賭けて築かれる人類のトリデ。その建設主務者となったシロウズ。この破滅に立ち向かうための資料を今に伝えるために生きつづけて来た女性。そして人類の明日の全てが。たそがれに飲み込まれる・・・。



こういう虚無感は嫌いじゃない。

人類は広大な宇宙の中では決して主役などではないのだと。
人類は無力なのだと。
人類はちっぽけなのだと。

それでも生き続けるのだと。



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