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トリフィド時代:食人三足歩行植物

2005年01月19日 00:00

トリフィド時代―食人植物の恐怖 トリフィド時代―食人植物の恐怖
井上 勇、ジョン・ウィンダム 他 (1963/12)
東京創元社

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食虫ならぬ食人歩行植物トリフィドに寄る人類滅亡パニックとでもいうのだろうか。

トリフィドは三足歩行をする植物である。毒を含む鞭状の部位を持っていて、これで獲物を打ち据えて倒す。そのまま死んだ獲物の脇に居座り、腐ってきた肉を喰らう。そんな危険な植物ではあったが、トリフィドから採取できる油は高品質であった為、人類はトリフィドを大量に栽培し油を摂取してた。トリフィドを鎖につないだり、柵に閉じ込めたりして安全は確保されていたはずだった。

人間がトリフィドを消費する側であって、その逆はありえなかった。

しかし、ある夜を境に人間はトリフィドに抵抗も出来ぬまま食われる立場となってしまう。


その夜、空ではすばらしい天体ショーが繰り広げられていた。
無数の彗星のような緑の光が、花火のように見られたのだ。

人々は歓喜した。
世界中の人々が、このまぶしい光を見た。



次の日の朝。
あの光を見たものはひとり残らず盲目になっていた。

人類を待ち構えていたのは、秩序も法もない世界と、疫病と、食人歩行植物トリフィド・・・。


運良く光を見なかった、一握りの目の見える人々は、なんとか生き延びようとしていく。数々の障害を乗り越え、人類は再び繁栄できるのだろうか・・・。






トリフィド(triffid)とは三つ足のこと。
あくまでもトリフィドであってトリュフとは何の関係もない。
きのこともマンドラゴラとも関係ない。



この本を読んでいたころちょうどマックホルツ彗星が太陽に近づいているという話を聞いた。一月いっぱい肉眼でも見えるそうだが・・・なんか見ずらいよね。
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蹴りたい田中:世界の中心でアイ~ンと叫んだらのけもの

2005年01月02日 00:00

一月二日である今日は事始めということなので、SF初めといってみようか。

蹴りたい田中 蹴りたい田中
田中 啓文 (2004/06/10)
早川書房

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茶川賞受賞の田中啓文の「蹴りたい田中」。以前紹介した「銀河帝国の弘法も筆の誤り」と同じ作者である。新年早々脱力すること間違いない。タイトルからして去年話題になった本のパクリだもんな。冒頭の作者のコメントでこのタイトルは編集者が勝手につけたと言っている。そして本当は「世界の中心でアイ~ンと叫んだらのけもの」というタイトルにしたかったと。どっちもどっちだと思うのだが。

さて本書に収録されているのは以下である。

未到の明日に向かって
地球最大の決戦―終末怪獣エビラビラ登場
トリフィドの日
トリフィド時代
やまだ道―耶麻霊サキの青春
赤い家
地獄八景獣人戯
怨臭の彼方に
蹴りたい田中
吐仏花ン惑星―永遠の森田健作

「未到の明日に向かって」
作者の対談という形式を取っている・・・が。
どこまでが真実でどこまでがネタなのかの判断ができない。

「地球最大の決戦-週末怪獣エビラビラ登場」
発想は「ΑΩ」と一緒。やっぱりウル○ラマン。
比べてみると面白いかも。

「トリフィドの日」
知性を持ったきのこが世界征服をたくらむ話。
ネタが飽和状態を起こして後半もう何がなんだか・・・。
最後の駄洒落に脱力。

「トリフィド時代」
上の姉妹作らしいが、これは実物を読んだほうが早い。

「やまだ道 耶麻霊サキの青春」
あ。いまこの作品のタイトルをIMEで出そうとしてようやく耶麻霊をなんて読むかわかった。
耶(や)麻(ま)霊(たま)サキ。ガクっ。
山田正紀の作品を読んでみたくなった。

「赤い家」
蚊というゲームのために書かれた作品。
蚊と人間が手を組んで事件を解決していく設定が新鮮。
なんだかんだと楽しんで読めた。

「地獄八景獣人戯」
これまた何がなんだかわからなくなる駄洒落が詰まった話。
ただ「おぬしもアルジャーノン」がやけにつぼにはまってしまった。

「怨臭の彼方に」
不老不死を手に入れる代償とは・・・。
絶対に食事前食事中には読んではいけない。
最後の駄洒落はオスカーワイルドですか。高尚ですな(エッ)。

「蹴りたい田中」
タイトルの元ネタとは何の関係もないと思われる。
大和魂万歳。

「吐仏花ン惑星―永遠の森田健作」
最後に向かううちに駄洒落の応酬になっているが、ラストは衝撃的。
いろいろな意味で。


全体として「銀河帝国の弘法も筆の誤り」よりネタ度と駄洒落度がパワーアップしている印象を受けた。中途半端な知識と理解力じゃ太刀打ちできない。絶対見落としているネタと駄洒落がいっぱいある。やっぱり駄洒落は知的で文化的なんだなと思った(本気かよ)。


この作者の本:田中啓文



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