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黒い仏

2004年09月29日 00:00

ギが二回も変な投稿をしている。
相変わらず意味不明なヤツめ。



黒い仏 黒い仏
殊能 将之 (2004/01)
講談社

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このあいだ殊能将之の「黒い仏」を読んだ。
この本も「2002年版SFが読みたい」でトップテンに選ばれていた。

が、果たしてSFなんだろうか。
いや、SFの定義は人によって違う。
そして、私のSFの定義はかなり幅広い。
しかし、これをSFのベストテンに選んでしまってよいものだろうか。


一応、裏表紙のあらすじや、帯の煽りを見る限りにおいては、推理小説くさい。
実際、途中まではそうなのだ。
しかし、それを根底から覆してしまう。

賛否両論、前代未聞なのもうなずける。
推理小説としても、SFとしてもなんとなく中途半端な気がしてしまう。


でも、別にこの小説は嫌いじゃない。
すらすらと読めるくらいに面白い。
ただ、ちょっと物足りない。

「黒い仏」では、物語の核心に迫る前に話が終わってしまう。
それは、主人公の探偵すら見通せない事実があるからだ。
普通の人間には、表面の物事しか見えてないのだということを、痛感させられる。

それでも、「黒い仏」の端端にちりばめられた人知を超えた世界は、想像力を程よく刺激してくれる。例えば、助手のアントニオの過去なんて、それだけでも長編小説になりそうな勢いだ。

「黒い仏」の終わりは、そのまま新しい物語への幕開けだ。
しかし、普通の人間である我々には、その続きを見ることが出来ない。
それがなんとも口惜しい。
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かめくん:かめくんはかめくんであってかめくんでしかない

2004年09月10日 00:00

かめくん かめくん
北野 勇作 (2001/01)
徳間書店

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書店で見かけたとき『日本SF大賞受賞作!ベストSF2001第1位』という帯がまぶしかった。

本書の主人公は、カメ型ヒューマノイド――通称レプリカメ――のかめくん。かめくんの目を通して伝えられる、ちょっと不思議で変な近未来の世界。あくまでも、ちょっとだけ変な世界なのだ。だからなんか変だなと思うだけで、なんとなく納得してしまう。それでも、よくよく考えると結構へんだったりする。でも、誰一人どうしてそうなったのかは知らない。

「かめくん」ではこれといって大きな事件が起こるわけでない。ただ、前の仕事から解雇されたかめくんがクラゲ荘というアパートに越してきて、新しい仕事をさがし、新しい環境になれていくというだけだ。だが、そういったなかに素朴なかめくんの心情やら、よくわからない超日常的な出来事が織り交ぜられている。

例えば、前の住人がおいていったクーラーを取り外すのに、銃を撃ったり爆破したり金属バットで殴ったりと、まるで戦争のような大騒ぎをしたりする。実際に広い意味での戦争らしいのだけど。

こういった変なことは、ほとんど「木星戦争」の名残らしい。しかし、その「木星戦争」自体終わったのか、まだ続いているのかどうかわからないというへんちくりんなしろものなのだ。

まあ、こんな感じの話なので、これ以上内容についてふれられないのだが、ひとつだけ心に残った引用を。
あのな、猫ってのは、かわいいもんだろうが。猫、な。いや、カメと猫は仲がいいのかどうか、おれは知らんのだけども、だけど、まあ猫はかわいいわけだよ。この猫、いつも見てるからもう見飽きちゃって、最近かわいくないわ、なあんて、そういうことはないわけだよ。それなんだよ。それとおなじことなんだよ。やっぱりさ、猫はかわいいんだよ、何度見てもな
そのとおり。猫はかわいい。何度見てもね。


SFだけど、肩に力を入れる必要はぜんぜんない。猫はかわいいなぁとか思って、だれーっというような感じで読むのがよろしいかと。
もちろん、自分とは何だろう、カメと人間の違いって何だろう、戦争ってなんだろう、というような哲学的な思考をしながら読んでも楽しめるけど。



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