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博士の白い猫

2007年04月01日 08:05

博士の白い猫 博士の白い猫
栃田 哲 (2006/04/01)
山猫社

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これは、猫好きとして見過ごすことができない。


あらすじ。
高校生の友哉が目覚めると、自分が白い猫になっていることを発見した。
猫になった友哉の世話をしてくれたのは、マッドサイエンティストのステレオタイプのような博士。博士によると、友哉はコンピュータシミュレーションの中の仮想人格に過ぎず、そのAIを猫に移植しただけだというのだ。自分のアイデンティティーに疑問を持ちながら、友哉は博士と平和な日々を過ごす。
ある日、猫の本能にしたがって散歩をしていた友哉は、殺人現場を目撃してしまう。しかし猫の発言に証拠能力があるはずもない。また友哉の正体を明らかにするわけにもいかない。友哉は独自に事件を追うことにした。博士の協力のもと、友哉は犯人を追い詰めることができるのだろうか。人間と動物とAIの壁を越えたミラクルサスペンス。


なんかカフカの変身っぽいと思いつつ読むと、肩透かしを食らう。少々冗長ぎみだが、ツッコミどころが色々あって飽きない。情報科学も脳科学も生物学も機械学もなんでもござれの変わり者の博士って、SFにおけるジョーカーみたいな存在だよね。もうちょっと設定に説得力が欲しいところ。

まあ猫が主人公の時点でボーナスポイント+20点なんだけど。

SFとミステリを欲張って取り入れた感じの作品だけど、なんといっても一番の見所は・・・(続きを読むをクリックすべし)。
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リアル鬼ごっこ

2007年01月20日 20:13

リアル鬼ごっこ リアル鬼ごっこ
山田 悠介 (2001/11)
文芸社

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ずいぶん前から気になっていた。
本屋の店頭では良く見かけた。若者に支持されているという話も聞いた。同時にぼろくそに批判されているのも知っていた。好奇心というか、怖いもの見たさというか。百聞は一見にしかず、とりあえず読んでみることにしたのだ。

あらすじ。
わがままで幼稚な王様が好き放題をしている未来国家。王様は自分と同じ苗字を持つ国民が増えすぎたことに不満を覚え、その数を減らす方法を考え出す。不幸にも王様と同じ苗字の「佐藤」さん五百万人は、鬼に捕まったら殺される「リアル鬼ごっこ」をさせられることになった。
短距離ランナーの佐藤翼には、幼い頃に分かれ離れになった妹がいる。馬鹿げた命がけの鬼ごっこが開催される中、翼は妹を探し出し鬼の手から守ることを決意した。


私はこのブログでは作品に対して好意的な感想を書いてきた。少々批判が混じっても、基本的には自分の気に入った作品しか紹介しなかった。でも今回ばかりは例外だ。悪口になるのを承知で、思ったことを書かせてもらう。山田悠介ファンは読まないほうが精神上よろしいかと。



最初のページで思った。これはダメだ。文章がダメだ。自分の口に合うとか合わないとか、読みやすいとか読みにくいとか、そういう次元じゃない。この文章は許せない。三行読んでは、その度に投げ出したくなった。我慢して読み進めたが、稚拙な文章だけが難点ではなかった。実は設定もプロットも相当お粗末だったのだ。


まず、既にさんざん言われているが、文章のレベルが低い。文法的におかしな点があるし、陳腐な表現がチラつくし、会話文が不自然だ。出版前に誰もチェックしなかったのだろうか。文が中学生並みとか言われているが、素直に納得。これでよく小説家を名乗れるな、というのが正直な感想。

次に、設定のつじつまが合わない。舞台は日本が元になっていると思われる王制の国家である。時は西暦3000年。高度な技術が発達している、ハズである。その割には国民の生活水準が現在とさして変わっていない。っていうかテレビはテレビのままだし、リモコンとかまだ使ってるし、新幹線も現役らしいし。時代を千年も先に進める必要はあったのか。ただ佐藤姓を探し出すハイテクゴーグルを登場させたいがための、安易な設定な気がする。

さらに、一億人いる国民のうち、五百万人が佐藤姓で、それを捕まえる鬼が百万人という設定。鬼ごっこが行われるのが一日一時間、七日間で計たった七時間。これはどう考えても無理があるんじゃないか。

五百万人やら百万人とか言われてもぱっと想像つかないので、解りやすいように縮小してみる。この王国が現在の日本と変わらないとすると、国土面積約37.8万km2。そのうち平地の面積は24%でここに人口の65%が住んでいる。全国の佐藤姓が特定の土地に偏っていないと仮定すると。

平地の面積: 3,780,000km2 x 0.24 = 907,200km2
平地に住む佐藤: 5,000,000人 x 0.65 = 3,250,000人
佐藤一人当たりの面積: 9,070,200km2 ÷ 3,250,000人 = 0.2791km2/佐藤

つまり単純に考えて約530m x 530mの面積に佐藤さんが一人いる計算になる。対する鬼は最初五人に一人の割合なので、初期状態では1.2km x 1.2kmの範囲に佐藤さんが五人、鬼が一人となる。

530m x 530mがどのくらいかというと、東京にある新宿御苑の面積が58万m2なので、その約半分。新宿御苑には佐藤さんが二人いる感じだ。ニューヨークのセントラルパークなら佐藤さん十一人、鬼二人。

セントラルパークには行ったことがないのでイメージがわかないのだけど、新宿御苑だって相当な広さだ。二人の人間が闇雲に歩き回っただけじゃ、何時間かかっても鉢合わせしないんじゃないかという気がする。ましてや鬼ごっこの舞台は視界の開けた広場じゃなくって、建物がある街中である。これは相当条件が厳しいんじゃないだろうか。

また残りの76%の土地では(とうてい人が立ち入ることができないような場所を除外したとしても)、もっと佐藤さん密度が低いはずである。

もちろん時間が経つにつれ佐藤さんは減っていくから、鬼の比率は高くなっていく。佐藤探知機もある。でも、それにしたって七時間で五百万人を百万人で捕まえるのは非現実的に感じる。

例えば、日本は島国であるからして、人の住む小さな島もいっぱいある。そんな島に住む佐藤さんはどうなるのだろう。例えば島民にたった一人だけ佐藤さんがいたとしたら。この佐藤さんのところには鬼は来るのだろうか。ぶっちゃけ最初の数日は鬼は派遣されてこないだろう。鬼の数が生存している佐藤さんの数を超えて初めて、この島に鬼が来る。その鬼達は島全体からたった一人の人間を探さなきゃいけない。もし佐藤さんが鬼が来る前に、近くの無人島かなんかに逃げていたらアウト(セーフ)だ。

だいたい佐藤さんが真面目に鬼ごっこしているのがおかしい。鬼ごっこといわれても、かくれんぼしてたって良いじゃないか。佐藤探知ゴーグルの有効範囲がどのくらいかはわからないが、その範囲外に隠れるっていう選択肢もあっただろうに。体力に自信があるなら毎日一時間遠泳していれば良いし、富士の樹海に出かけても良い。一週間だけ海外に高飛びってできなかったのだろうか。ってかこの大虐殺に海外諸国は一切反応しなかったのか。

物語の大前提がそもそもあやしいが、細かいところにも疑問が残る。なんで鬼ごっこで全力疾走することになるって分かっているのに、その直前に食事をするのか、とか。なんでみんな一日が終わるとバカ正直に自宅に戻ってくるのか、とか。なんでこんなどうしようもないバカ王を今まで放置していたのか、とか。まあ色々突っ込みどころはある。

そして最終的な物語の結末は、簡単に予想できてつまらない。どうせなら一捻り欲しかった。というかこの結末を、小説の中の人たちも予想しておこうよ。


ある日突然追われる者になるという、この作品のアイディアは若者受けしておかしくないと思う。主人公が鬼に追い詰められていく過程も、スリリングで引き込まれるものもある。だが、作品の完成度が高くないのにベストセラーになるのは納得がいかない。

当時の作者はまったくと言っていいほど読書をしていなかったらしい。本を読まない人間が小説を書くということに、なにか釈然としないものを感じる。


自費出版されたデビュー作だけを読んで、山田悠介という作家を評価するのはフェアではないとは思う。ただ『リアル鬼ごっこ』を読んでしまうと、他の作品を読む気がしなくなってしまうのが辛いところだ。


蛇足。
作者の文章が酷いとか間違っているとか書いたが、私だって自分の文章に自信を持っているわけではない。だけど文を書いてお金を貰う以上、それに見合うだけのレベルを読者として求めても良いんじゃないかと思うのだ。

それと私が読んだのは文芸社初版なので、大幅に加筆修正された幻冬舎版がどこまでマシになっているかは知らない。

アマゾンのレビューを有用性の高い順に並び替えてみると感動する。

縦読みを探してみるのも一興。

アイディアは悪くないのだから、ブラックユーモアでタイトに仕上げればよかったのに。そうしたらとんでもな設定が生きてくると思うんだけどな。

参考までに今の日本の佐藤人口は193万人。

テルミンでゼルダを演奏する

2006年11月14日 11:11



テルミンでゼルダ(ハバカリ)より。
ブクログというヴァーチャル本棚サービスの開発者のブログなんだけど、株式会社paperboy&co.代表取締役って、えっ!? JUGEM、キヌガサ、ロリポップ!とか運営してる会社の・・・。


ブクログ、面白そうなのでアカウント取得してみた。今せっせと本登録中。

関連:
SF音楽とテルミン
テルミンの物理学

秋の読書にオススメ「長門有希の100冊」

2006年10月14日 20:07

Syu's quiz blogでこのようなものを見つけてしまった。

秋の読書にオススメ「長門有希の100冊」に選らばれたものです

問題の画像はこちら。
長門有希@書店


こーゆーのやってくれないかなーとずっと思ってたんだよな。うちの地元の本屋でもこういうコーナー作らないかな。たぶん色々買っちゃうよ。



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